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JCICイベントレポート

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JCIC 第3回 朝食会レポート(2019/3/19)
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2019年3月19日(火)、元陸上自衛隊研究本部長・陸将の山口昇氏(国際大学副学長、笹川平和財団参与、JCIC理事)をお招きし、「激動する国際情勢とサイバーセキュリティ」と題したJCICの第三回朝食会を開催しました。当日はJCIC会員企業、JCIC理事など18名が参加し、情報化時代の安全保障に関する講演や質疑応答が行われました。

朝食会の冒頭では、山口氏から以下の最新動向に関する説明がありました。
・防衛のための作戦という場におけるICT(情報通信技術)は、人間における神経と脳に相当し、筋肉や拳に相当する戦闘機や戦車といった既存の装備品のパフォーマンスを増大するという意味でコストパフォーマンスが高い分野である
・ICTを活用することで、目には見えない状況を詳細に把握することができるが、何を判断するためにどのような情報が欲しいのかという本質を見失うと、いくら情報があってもアクションにつながらない懸念がある。また、指揮官はコンピューターの画面に気を取られがちになるが、実際に戦場を目で見ることも含め、状況全体をしっかりと把握することが大切である
・日本の新「防衛計画の大綱」において、自衛隊が宇宙、サイバー、電磁波の能力を有することが認められたと理解できる。陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波を融合した「領域横断作戦(クロスドメイン)」の能力を増幅し、全体として相乗効果をもたらす必要がある。例えば、サイバー攻撃によって直接的な被害を受けた場合、自衛権を発動することになるが、この場合、サイバー攻撃に対して他の領域で反撃するといった非対称の対応も考えなければならない
・今後は、官民連携が重要になってくる。自衛隊から民間へノウハウや技術を移転する「スピンオフ」と民間から自衛隊へ移転する「スピンイン」を進めていく必要がある

参加者からは、「サイバー攻撃は目に見えないため、反撃をするための納得感を得ることが難しいのではないか」、「予兆や軽微な事故はどのように判断し、どう対応すべきか」、「国家主体の安全保障の脅威に対して、民間企業や民間人はどのような対策をすべきか」といった質疑がありました。

最後に、自衛隊と民間企業のより積極的な官民連携の必要性が再度強調されました。今後も積極的な意見交換を実施していきたいと考えております。

Breakfast Meeting1

Breakfast Meeting1