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JCICイベントレポート

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第二回若手人材育成ラウンドテーブルレポート ~今、求められる人材像を議論~ (2018/7/5)
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2018年7月5日(木)、JCICオフィスにて「第二回JCIC若手人材育成ラウンドテーブル」を開催しました。当日は、明治大学の齋藤孝道教授、京都産業大学の秋山豊和教授の2名をお招きし、JCICの会員企業とサイバーセキュリティ人材育成における産学連携についてディスカッションを行いました。

Breakfast Meeting1

明治大学の取り組み
はじめに、齋藤教授から理工学部情報科学科の取り組みをご紹介いただきました。同学科のコンピュータサイエンス実習では、齋藤教授が開発したサイバーレンジ(体験型サイバーセキュリティ学習システム)を用いた演習を行っており、今まで約350人の学生や社会人が受講しています。また、研究室の学生には、外部でプレゼンテーションする機会を積極的に提供し、社会に出ても通用できる人材を育てています。

京都産業大学の取り組み
秋山教授からは、4月に改組された情報理工学部の取り組みをご紹介いただきました。特定分野の科目群をセットにした10個のコース制を採用し、情報セキュリティコースはその1つに位置づけられました。情報セキュリティコースの特徴としては、IT(Information Technology)とOT(Operational Technology)について技術的な内容をカバーしている点です。また、同大学では関西圏出身の学生が多く、就職先も地元企業を希望する方が多いとのことです。

企業が求めている人材
「今、企業が求めている人材とは」という教員からの質問に対して、企業側の共通意見として「コミュニケーション能力」が挙がりました。セキュリティやネットワークの知識を有していることは望ましいですが、企業カルチャーに合っているか、チームとして活躍できるかという素養を企業は重視しているとのことです。社会人になると、チームの一員として働く必要があるため、エンジニアであっても技術力よりも前に基本的なコミュニケーション能力が求められるという意見がありました。また、一つの技術に特出した人材は、活躍の場が限られ、キャリアパスが明確に示せないことから、尖った人材を採用できる日本企業は現状では稀なようです。

セキュリティ人材の流動性
後半のディスカッションでは、セキュリティ人材の転職がテーマとして挙がりました。セキュリティ人材は多くの企業で不足しており、どの企業に転職しても経験や能力を活かせる可能性が高いため、他の職種に比べて転職しやすい状況にあります。しかし、自社の業務を熟知したコマンダー(全体統括)が育たない、育てた人材が短期間で転職してしまうといった課題も指摘されました。この課題に対して、一部の企業では、人材への投資(外部研修等)を行ってロイヤリティを高めたり、出戻り転職を制度化したりする取り組みも行っているとのことです。

今回のラウンドテーブルでは、セキュリティ人材の新卒採用や転職について、それぞれの立場から活発な意見が出ました。JCICでは、今後もこのような膝詰めのディスカッションの場を継続的に提供し、教育や啓発の提言に繋げていきたいと考えおります。